消防設備士独立備忘録

飲食→ビルメン→消防設備士→起業への道のり

最終出勤日


本日は約3年間勤めた会社の最終出勤日であった。

 

石の上にも三年、ということわざがあるように、3年も仕事を継続すると、重要な仕事を任されたり、昇給昇格したりする。実際に、私も会社の係長職に上がるよう打診されはじめていた。(独立する事を決めていたので断ったが。)

 

それにしても退職したい旨を上司に伝えてから、実際に退職するまで、まるまる1年もかかってしまった。

途中、子供が生まれたり、後輩に先に辞められたりと様々な難関をくぐり抜けてようやくここまで来た。

 

入社当時から働き方改革が世間で騒がれるくらいまでは朝の6時くらいから22時まで仕事に忙殺され、ブラック企業のイメージが強かった。それでも何とかやっていけたのは、いざとなったら助けてくれる周りの人間に恵まれていたからだ。

 

しかし哀しきかな、良い人、能力のある人ほど会社を辞めていき、働き方改革が導入されてからも離職のスピードは変わらなかった。かくいう私も、辞めると言い出した人間だった。コロナ禍の最後の1年間は、出退勤も8時頃から18時頃までに激減した。

 

その反面、周りの人間の質も徐々に落ちていき、チームワークが大事な消防点検なのに、他人と上手くコミュニケーションをとれない人間が多く現れ、結果的に疲れ果ててしまった。

 

そういった人物達は大概指示を待つだけの指示待ち人間であり、自分から仕事を奪おうとはせず、点検も積極的に覚えようとしなければ工事の受注をとれるわけでもなく、その割にボーナスが少ないだの指示の内容が悪いだの会社の文句だけはしっかりという。

 

ブラック企業ホワイト人材だった会社が、ホワイト企業ブラック人材に変わっていった1年間だった。

 

特にA君には悩まされた。A君はまだ入社してきてから1年も経っていないが、それにしても仕事が異様に遅かった。そればかりか遅刻は度々するわ、30分前に教えた事を忘れるわ、すぐ人のせいにするわ、思い出しても腹の立つ程の人間だった。

 

この最恐最悪のA君を変えようと、努力した事もあった。しかし無駄だった。所詮、他人を変える事はおこがましい行為であり、到底無理なのだ。

 

しからば、この様な害悪人物と接するにはどうすれば良いか。それは、距離を取る事だ。接さなければ、こちらの気分が悪くなる事もない。悪くいえば放置、だ。

 

案の定、A君はチーム内でみるみる孤立していき、誰も教育しようとしないので成長する事もできない。チームの雰囲気は悪くなり、そんなチームでは仕事のできる人間はやってられなくなり、次なる離職につながるだろう。

 

チームを側から見ていて、崩壊していくのが目に見えていた。私は退職が決まっているので崩壊していくチームをただ眺めていた。イキってでしゃばっても、退職する癖にとか思われるだろうし、なにより残される本人達が仕事を自分事に捉えて変わらない限り、余計なお世話になりかねない。というかもう、正直接すると疲れる。

 

 

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そんなA君から最終日に頂いた、凄十。チョイスがさすが。

 

 

自分が起業した会社に、このようなチームが生まれたらと思うとゾッとする。これだったら1人で細々と仕事していた方がはるかにマシだ。人は変える事ができない。ならば、人を選び見極める目を研ぎ澄ますしかない。

 

仕事は、誰とやるかが大事。これが凄く身に染みた3年間であった。